イスパラテ

スペイン語やスペイン語圏について紹介するブログ

外国語学部 スペイン語専攻は何を学ぶ?-学科選びのコツ

外国語学部志望で悩むのが専攻言語。

この記事では、外国語学部のスペイン語圏専攻では何を学ぶことができるのかをご紹介します。

 

f:id:k-heki:20201121104138p:plain

 

外国語学部 スペイン語専攻は何を学ぶ?-学科選びのコツ

外国語学部志望の場合、専攻地域をどこにするのかを決めて志望校や志望大学を決定します。

外国語は大学によって準備されている言語は異なるため、学びたい地域を絞りながら大学を選んでいくのですが、どの地域を専攻するのかを決めるのはなかなか難しいです。

外国語の選び方として一般的なのは、「志望大学にある学科」、「自分の興味がある地域」、「将来役に立つ可能性が高い外国語」、「自分に合ったレベルの学科」です。

この記事では外国語学部を志望する場合の学科選びで、スペイン語に興味があるという方に役立つスペイン語のおすすめポイントや難しい点などを、外国語学部卒の視点でご紹介します。

 

※外国語学部の研究詳細はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

スペイン語圏専攻で学ぶこと

外国語学部のイメージでというと、毎日語学の授業がありプレゼンやディベートをして…という大学生活ですが、実際はこれらの学びは全体の中の3割ほどを占めるだけで、残り7割は「地域研究」もしくは「言語学」を研究します。

スペイン語圏を専攻する場合、地域研究や言語学の範囲がスペイン語圏となり、スペインやラテンアメリカを研究します。

例えば中南米の新自由主義、スペインの社会言語学、スペイン文学、アルゼンチンの音楽…などなど、スペイン語圏に関すること全てが研究対象です。

具体的には、外国語を使って原書購読(スペイン語ならスペインやラテンアメリカで発行されて書物)を行い、内容をディスカッションしたり、プレゼンしたり、レポートを書いたりします。

他にも翻訳技術を磨いたり、実際に現地に行って調査するということも外国語学部の研究には含まれています。

外国語学部における外国語学習(文法・会話)は主に1年生、2年生で基礎を学び、3年、4年では応用を学びます。そしてその語学の力が上述の様な外国語を読み、考え、まとめ、ディベートし、プレゼンし、レポートし、調査するという活動を行うための道具として使用されるイメージです。

 

語学の授業について

大学にもよりますが、例えば愛知県立大学のスペイン語圏専攻の場合、外国語を学ぶ科目は、1年生で10単位、2年生で14単位、3(4)年生で20単位「スペイン語、ポルトガル語、カタルーニャ語」の授業が用意されており、内、必ず履修しなければならないのは言語文化コースで30単位、社会文化コースで24単位です。

外国語の単位は1科目1単位なので、言語文化コースでは年間10科目、つまり1年、2年、3(4)年で毎日1時間語学の授業がある計算となります。

卒業するために必要な単位数は124単位ですので、語学以外に約100単位の授業を地域研究や言語学、その他一般的な学問で取得しなければならないということです。

外国語学部 授業科目・単位一覧|情報公開・提供|愛知県立大学

 

スペイン語圏の地域研究

地域研究とは、自分が所属している専攻学科の地域を研究する学問です。

専攻地域の政治、経済、歴史、文化(芸術・音楽等)、地理、文学などを専攻地域の言語で学びます。

簡単に言えば、日本の政治学科、歴史学科、地理学科、国文科などで学ぶことと同じようなことを専攻地域ごとに学びます。

一般的に1年生、2年生、3年生では、歴史学、政治学、経済学等の基礎を学びます。

マクロ経済がどうこう、新自由主義がどうこう、など、理論を中心に学びます。そして、3年生、4年生では1・2・3年生で学んだ理論を基に専攻地域の地域研究(実際その地域ではどうなのか)を研究します。

この3・4年生で研究する地域研究ですが、当然のように原書購読(外国語文献を読み解く)を行います。また、現地に行って調査を行うフィールドワークも重要な調査方法です。フィールドワークで現地でインタビューしたり、実際に自分も参加したりして研究資料を集めます。

つまり、この原書購読やフィールドワークが滞りなくできるように準備するのが、1年生、2年生、3年生の語学の授業なのだと言えます。

 

地域研究の内容を少しだけ紹介

地域研究がどのようなものかが少し分かったところで、具体的な地域研究の内容を、「ラテンアメリカ政治」の分野少しだけご紹介します。

新自由主義という概念があります。この理論を使用した例で有名なのは小泉政権が行った郵政の民営化です。この概念は、「小さな政府を目指すこと」に重きを置いたもの。海外でもサッチャーやレーガンなどが新自由主義を念頭に置いた政治政策を実施したということで有名。

この新自由主義、実はラテンアメリカで初めて実用化されたのです。ですから、ラテンアメリカは「新自由主義の実験場」と呼ばれていました。中でも、チリのピノチェトは、1974年から1990年まで独裁的にチリを支配していたのですが、彼が世界で始めて新自由主義を国政に導入したといわれています。

日本が好んで用いるようになった概念「新自由主義」ですが、実はラテンアメリカでは既に実装が進んでおり、このラテンアメリカの事例、新自由主義の功罪を研究することで、今後日本でどのような変化が起こりうるかということを考えたりするのが、地域研究なのです。

 

※地域研究の雰囲気を知るならこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

スペイン語圏の言語学

地域研究と並んで外国語学部のメインテーマとなる学問が言語学です。

言語学とはなんぞや!?というのが疑問なのですが、言語学は語学学習とはまったく異なるもの。大別すると、

①言語の構造や音声など、言葉自体を研究するもの 

②言葉と社会とのつながり(歴史的・現在)を研究するもの

の2つ。

言語学はとても奥が深い分野で、簡単には説明できないのですが、例えば①の文法や言葉の構造を勉強する言語学の例として、私の友人は、スペイン語の前置詞(英語のatとかonとか)を研究しています。この言語学の理論を用いて、日本語の構造なども考えることができます。

※言葉の構造についての学びはこんな感じです

日本語の「は」と「が」の違いって? - すみくにぼちぼち日記

 

②の社会とのつながりを学ぶ社会言語学の例としては、例えば「何故英語はフランス語の影響を受けているのか」などがテーマとなります。

※社会言語学の一例はこちら

英語の語彙は何故多いのか-英語とフランス語の関係から考える - すみくにぼちぼち日記

 

このように、言葉の構造や言葉の変遷、周辺言語との関わりなどを学ぶのが、言語学なのです。

※一度言語学を学んでみたいという場合にはこちらの本がお勧めです。 

言語学が好きになる本

言語学が好きになる本

  • 作者:町田 健
  • 発売日: 1999/01/01
  • メディア: 単行本
 

 

外国語学部で学べる色々なこと

以上のような、外国語、地域研究、言語学が外国語学部で学ぶ3大重要なことですが、他にも色々学べるのが外国語学部の良いところ。

例えば、日本語教育や通訳技術を学んだりや英語教員免許取得なども大学によっては可能です。私も高校英語、高校地歴の免許を取得しました。

これらの授業を選択すると、上述の研究に+αで、教育学、日本語学、日本語教授法、英語学、英語教授法、スペイン語教授法などなども大学で学ぶことができます。

 

スペイン語の特徴とおすすめポイント

スペイン語は専攻言語としておすすめしたい言語です。

理由は、まず、発音が日本語と似ており日本人にとって発音しやすい言語なので、初心者でも会話しやすい言語だということ。

英語のように発音が難しくて発話しにくいということがありません。

また、世界第3位の母語話者を誇る言語で、世界中で使える機会があります。大学の研究でもヨーロッパ・アフリカからアメリカ大陸まで広い範囲で研究できるのもスペイン語圏専攻ならでは。

最近ではビジネスでのスペイン語需要も高まっているというのもおすすめな理由です。メキシコなどのラテンアメリカに日系企業がたくさん進出しているので、将来的に駐在の機会があったりと、スペイン語圏を専攻することで人生の広がりを実感できるのも魅力です。

 

発音が日本語と似ている

スペインは母音が日本語と同じ5つで、順場は違いますが「aeiou アエイオウ」と発音します。

英語のように綴りによって発音が変わったり、一つの文字がいくつも発音を持っているということがないので、発音しやすい言葉だと言えます。

また、子音との組み合わせでも、ほぼローマ字読みで読めるので、文字の読み書きも易しい言語です。

そのため、初心者でも学びやすく、間口が広いため、言語を身に付けていく感覚を体感できるのがスペイン語を学ぶ魅力かなと思います。

最初の一歩目で躓くことがないので、初級から中級、上級へと進みやすいのもポイント。

新しく言語を始める場合にも成長を実感できることでモチベーションを保ちながら勉強を続けていくことが可能です。

 

多くの国で使用される

スペイン語は、英語に次いで世界で2番目に通じる国が多い言語で、メキシコを含む中南米全域(ブラジル、ギアナ三国、ベリーズを除く)、アフリカ西部の赤道ギニア、本国スペインで使用されています。

世界で3番目に母語話者が多い言語です(中国語、英語、スペイン語の順)。

ヨーロッパ・アフリカとアメリカ大陸どちらでも広く使用できるのも魅力の一つ。

ヨーロッパでも第二外国語として人気のある言語ということで、ヨーロッパを歩いていて、スペイン語で話しかけると、ラテン系の人でなくてもスペイン語で会話できたりするのも面白い部分。

アメリカの南部でもスペイン語が頻繁に使われており、南部の旅行であれば英語ではなくスペイン語だけで旅行を楽しむことが可能です。

大学で専攻する場合にはヨーロッパの地域研究さもちろんのこと、ラテンアメリカの地域研究も可能なので、学問の幅が広いという面でも面白い言語です。

 

ビジネスで使えて実用性が高い

近年、ラテンアメリカの経済的な重要性も高まってきています。

例えば、メキシコにはここ10年くらいで多くの日系企業が進出しており、駐在員として赴任する機会も増えています。

英語、中国語などとならんで実用性の高い言語であり、大学の間に学んでおくと将来南北アメリカ大陸で外国語を使って仕事できる可能性が高まります。

私もスペイン語を学び、会社に入社後は南米担当として営業の仕事を担当しチリやエクアドル、ペルー、ボリビア、ウルグアイなどを仕事で回ったりしていました。また20代でメキシコ駐在を経験し、英語やスペイン語を日々使用しながら仕事をしていました。

実用性の観点でもスペイン語はお薦めです。

 

スペイン語を専攻できる大学

スペイン語はとてもおすすめな言語なのですが、外国語学部でもスペイン語圏の専攻科を設置していないところもあります。

まずは志望大学にスペイン語圏の専攻があるのかどうかを確認することが大切です。

以下はスペイン語圏の専攻科が設置されている大学の例です。

国公立大学

東京外国語大学、大阪大学、神戸市立外国語大学、愛知県立大学

私立大学

上智大学、南山大学

 

オンラインスペイン語の活用でトリリンガルに

一昔前は、外国語を日本で身につけるのは大変でしたが、現在では十分に仕事で使えるレベルまで引き上げることができるようになりました。

というのも、最近ではオンライン英会話教室がリーズナブルな価格で質の高いオンライン英会話のレッスンを用意しており、オンライン英会話教室を利用することで、自宅にいながら生の外国語に気軽に触れることができるようになったのです。

中でもスペイン語を勉強したいと思ったときにはベルリッツというオンライン教室がおすすめ。無料体験レッスンが可能ですので、是非一度無料体験レッスンを試してみてください。

 

※無料レッスンの申し込みはこちら

圧倒的成果のオンラインスペイン語 | ベルリッツ

 

※ベルリッツスペイン語レッスンの紹介はこちら

classroom.hatenablog.com

  

スペイン語のおすすめ参考書

ここまで外国語学部のスペイン語圏専攻についてご紹介しました。

スペイン語を勉強したい場合におすすめなのが、スペイン語会話と簡単な文法解説のついた参考書、文法書、単語帳の3つの参考書をそろえること。

スペイン語の勉強では、「文法を覚え、単語を覚え、音を聞き、発話する」という4つのステップを繰り返すことが大切です。

文法や会話のリスニング練習でおすすめな教材は、『ニューエクスプレス』シリーズ。そして単語の学習は『スペ単』、文法書は『これならわかるスペイン語文法 入門から上級まで』です。

また、スペイン語をある程度勉強したら、今度は国際的にも通用するスペイン語の検定である「DELE」という国際資格の取得を目指し、学んだことを定着させ、会話をオンラインスペイン語教室で並行して勉強していく方法がおすすめです。

 

※ニューエクスプレス プラス スペイン語

 

※スペイン語 おすすめ参考書はこちら

hispalate.hatenablog.com

 

終わりに

この記事では、大学の外国語学部のスペイン語圏選考についてご紹介しました。

スペイン語は発音が易しく日本人にはチャレンジしやすい言語で、世界中に話者がいるため実用性も高いという点でおすすめな言語です。

動詞の活用が多かったりと覚えることも多いですが、最初のうちにしっかりと覚えるようにすればしっかりと身に着けていくことができる言語です。

スペイン語圏専攻を検討しているという場合は是非大学のオープンキャンパスなどに参加してスペイン語圏専攻に向けて情報を収集なさってみてください。

 

※大学生におすすめなオンライン教室の情報サイトはこちら

くらする-やってみたいが見つかるオンライン教室の情報サイト

 

※トリリンガルになる勉強法はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

※スペイン語のおすすめ勉強法はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

※ロマンス諸語についてはこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

 

にほんブログ村 外国語ブログ スペイン語へ
にほんブログ村